
(日本電子工業(株)製)
真空中での処理のため処理後の表面は無酸化状態で得られ、表面粗さの低下も少ないのが特徴です。
低温処理のため歪量は極めて少なく、後加工の必要が無く仕上がり品の処理に最適です。
耐磨耗性・耐疲労性に良好です。
イオン窒化装置

型式 | JIN-3C |
---|---|
最大出力 | 30kw |
一次電圧 | AC200V 一次電流:AC150A |
二次電圧 | DC800V 二次電流:DC35A |
炉体寸法 | φ700×1000mm |
処理能力 | 総重量300kg、単体60kg 長さ700mm程度まで 外形550mm |
処理温度 | 400〜570度程度まで(低温窒化) |
温度制御 | 赤外線放射温度計(2色式) |
加熱時間 | 99h59minタイマー付 |
冷却時間 | 6hタイマー付 |
操作方法 | No2-コントローラー昇温出力調整器付 |
真空計 | 0.003〜20torr |
原理
放電処理炉は、10−2〜10−3Torr(mmHg)まで真空ポンプで排気した後炉内に、N2、H2ガスの混合ガスを導入し、ガス圧を1〜10Torrの処理条件にあわせて設定します。放電処理炉全体は、水冷され、これを陽極とし、処理製品を陰極とし、数百Vの直流電圧を印加し、グロー放電を発生させ窒化処理を行います。
特徴
- 多種の材質に適合。
- 窒素ポテンシャルが高いので、窒化層を短時間で生成できる。
- 深い硬化層が得られる。
- 窒化防止は、メッキまたは窒化防腐剤塗布などの手続きを必要とせず、軟鋼板のCaseでカバーするのみで防止することができる。
- 窒化層の最表面層の状態をコントロールすることができる。
- 下地になっている緻密な窒化層と表面に形成された潤滑性のある浸硫層の組み合わせが、耐摩耗性の向上に効果を発揮します。
窒化層が耐摩耗性に強力な役目を果たしつつ、浸硫層が摩擦抵抗を低下させることにより耐摩耗性を向上させ、他の処理より耐摩耗性は優れています。 - 真空中での処理のため、被処理物の表面状態はまったく清浄で、加工後、後処理の工程を必要としない。
- まったく無害であり汚水も排出せず、特別の対策を講ずる必要がない。
- プラズマ窒化は従来の窒化で必要である酸化被膜除去処理の必要が無く、ステンレス鋼の処理が容易である。
- 自動車のエンジン部品・航空機部品・金型等の耐腐食性の向上が可能です。
- 350〜590℃の範囲の処理により変態を伴わない処理であるため、変態に伴う体積膨張や収縮の歪みは発生しません。
- プラズマ窒化後高周波焼入れを実施することで非常に高い表面硬さと、高周波焼入れの硬化層による高い強度を兼ね備えた(複合熱処理)により高性能な品質を得ることができます。
用途
材質 | 表面硬度 | |||
---|---|---|---|---|
MHV100gr | HRC | HS | ||
(最表層部) | (換算) | (換算) | ||
炭素鋼 | S35C,S45C | 600〜800 | 55〜64 | 74〜88 |
SK5 | 550〜800 | 52〜64 | 69〜88 | |
合金鋼 | SCM415 | 700〜900 | 60〜67 | 81〜95 |
SCM440 | 650〜900 | 57〜674 | 77〜95 | |
窒化鋼 | SACM645 | 900〜1200 | 67< | 95< |
バネ鋼 | SUP | 650〜750 | — | — |
ステンレス鋼 | SUS304 | 1000〜1300 | — | — |
SUS420J2 | 1000〜1300 | — | — | |
熱間金型鋼 | SKD61 | 1000〜1200 | — | — |
冷間金型鋼 | SKD11,12 | 1000〜1200 | — | — |
プラスチック金型鋼 | HPM,NAK | 750〜900 | — | — |
金型類
熱間鍛造金型、ダイカスト金型、プラスチック金型など
機械部品
スピンドル、ラック、ギヤなど
射出成形機部品
シリンダー、スクリュー、ロータリーブロックなど